当院は、三年前より外国人技能実習生をクリニックの介護技能実習生として受け入れました。

月日が流れるのが早く、あれから晴れて三年が経ち、先日帰国する運びとなりました。彼女に感謝に意味も込めて、この記事を書きたいと思っています。

外国人技能実習制度の目的は、日本の技術や知識を途上地域等へ移転し、当該地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することです。

その中でも介護技能実習生は、母国において同等業務に従事した経験や看護師、介護士等の資格、あるいは看護大学など看護介護系教育機関において一定期間以上の履修実績が求められます。

日本に来て生活しながら働くということが、どれほど不安で、そして大変であるか、入国前の思いは相当だったと思います。

母国にいる親御さんは、本人以上に不安だったのではないでしょうか。

入国してまもなく当クリニックで働くことになり、受け入れ側の私達も色々な面で戸惑ったことを思い出します。

日本語能力試験のN4を合格しているとは言え、日本語が堪能ではありませんし、最初は身振り素振りでお互いにもがきながらコミュニケーションを行った記憶があります。

しかし、時間の経過とともに日本語も少しずつ覚え、介護も日本人と相違ない程度まで成長しました。

そして、三年も経つと「必要な人材」となり、いつしか「いる事」が当たり前のようになっていました。

日本の生活様式に触れ、ベトナムという母国の文化と大きな違いを経験し、胸を張って母国に帰って行ったと思います。

私達は、技能実習生を受け入れて多くのことを学びました。学んだ経験は、これからも受け入れを続けることで生かせると考えています。

現在は、もう1名の技能実習生が現在帰国中です。3月くらいには戻ってきて、今度は「特定技能外国人」として勤務頂くことになります。

             施設長 兼 訪問医療部部長 奥山